認知症は、記憶障害で発症することが多く、
緩徐に進行します。
大脳の神経細胞が年齢よりも少なくなる病気で、高齢になるにつれて発症しやすくなります。
認知症に気付く日常の変化としては、次のようなものがあります。
・ 置き忘れやしまい忘れが目立つ
・ 蛇口やガス栓の閉め忘れが目立つ
・ 時間や場所の感覚が不確かになる
・ ものの名前が出てこなくなる
・ 同じことを何度も言う,尋ねる
・ 財布やお金、物を盗まれたという
治る認知症と治らない認知症を区別することが重要
治る認知症 → 2次性認知症
治らない認知症 → 1次性認知症
2次性認知症の原因は多くの病気があります.
うつ病や水頭症、硬膜下血腫、内分泌や腎臓・肝臓の病気などがある。
1次性認知症には、アルツハイマー型認知症、レヴィー小体型認知症、前頭葉型認知症などがある。
これらを鑑別し、適切な治療を行い、介護の方法を説明します。
H28年より物忘れ外来の予約を始めました。
物忘れを主訴に来院される方は、電話予約をお願いします。
家族など日常生活の状況がよくわかる方と来院してください。
日常生活の様子を時間を追って箇条書きにして持参していただけると助かります。
最初におかしいなと思った時期と具体的な症状は何でしょうか?
現在困っている症状はどのような言動でしょうか?
最初に15-30分 家族の方から状況を伺います。
診察後、頭部CTなどの画像検査を行い、簡易高次脳機能検査を行います。
胸部レントゲンや心電図、血液検査を行う場合もあります。
総合病院で頭部MRIやSPECT、詳細な高次脳機能検査などを予約する場合もあります。
検査終了後、本人と家族に診断結果と病気の仕組み、今後の対応方法など説明します。
1)認知機能の変動
時間や場所、周囲の状況に対する認識や会話時の理解力など、悪い時と良い時の差が大きい
2)幻視、視覚認知障害
実際には存在しないものが見えるという症状。人や子供が見えると言われることが多い。幻視は夜間に増加。 家族を偽物だと思うこともある
3)パーキンソン症状
パーキンソン病の運動症状を参照
◎症状が突然出現し,階段状に悪化
一般的には、社会資源を最大限活用し、できるだけ在宅を維持することが望ましいです。
介護保険を活用し、デイサービス、デイケア、ヘルパーなどを利用します。
そして、日常生活の習慣を出来るだけ変化させないことが大切です。
新しいことが記憶できないので、環境の変化に対応できません。
毎日同じことを繰り返すことにより、学習させることが重要です。
基本的にはそのまま受け入れるしかありません。
訂正、否定、叱責、説得などは避けてください。
症状が悪化した場合には、速やかに受診してください。