日本人の約1/3は頭痛持ちだといわれています。頭痛は多くの方が経験していますが,日常生活に支障をきたすつらい症状になることもあります。その痛みを周囲に理解してもらえず、悩んでいる人は少なくありません。
外来ではまず頭痛に関して詳しく問診を行い(発生時期、痛みの持続期間、頻度、痛み方など)、必要に応じてCT検査を実施し、その頭痛の診断を行います。
頭痛には一次性頭痛と二次性頭痛に分けることができます。二次性頭痛にはすぐに治療が必要なものがあります。頭痛の原因が生命にかかわるものかどうかを見極めることがとても重要です。
頭痛の原因の7~8割を占め、中高年に多い頭痛で、頻度は月に数回程度から毎日とさまざまです。
いつとはなしに始まり、だらだらと持続するのが特徴で、発作的に起こる片頭痛とは異なります。
後頭部から首筋にかけて両側性に痛むことが多く、頭全体やはちまき様に痛むこともあります。肩コリや顎関節症を伴うことが多く、圧迫感、緊迫感、頭重感が特徴です。
体のだるさやふわふわしためまいを伴うこともあります。
ストレスにより頭頚部の筋肉が頭を締め付けるために緊張型頭痛が起こります。 緊張型頭痛の治療はこの筋肉を和らげることです。
薬物だけではなく、散歩・体操・ストレッチも重要です。
女性に多い頭痛で、たいてい月に1~2回程度、発作的に頭痛が起こり、72時間以内に治まります。
片側のこめかみから眼のあたりに起こることが多く、4割の方が両側性です。 脈打つように「ズキンズキン」あるいは「ガンガン」と痛みます。
「日常生活が続けられない」ほど頭痛が強く、寝込むこともあります。階段昇降など日常的な動作により頭痛が増悪し、マッサージや入浴、体操で悪化します。
片頭痛の約2割は前兆を伴います。多くは「閃輝暗点」で、視界にチカチカした光が現れ、これが拡大していくにつれて、元のところは見えにくくなります。通常20~30分続き、前兆が終わると激しい頭痛が出現します。
しばしば吐き気や嘔吐を伴い、片頭痛の最中は光や音、臭いに過敏となるので、片頭痛の間は暗くて静かな環境を好みます。
通常の鎮痛剤は無効なことが多く、トリプタン系の薬剤が有効です。
月2回以上片頭痛があるときには予防薬を検討します。
めまいは、自分自身の体と周囲の空間との相互関係・位置関係が乱れていると感じて、不快感を伴ったときに生じる症状と定義されています。
めまいの症状は、グルグル目が回る「回転性めまい」、フワフワふらつく「浮動性めまい」、クラッとする「立ちくらみのようなめまい」の3つに大きく分けられます。 慢性的に持続するめまいには漢方薬が有効なこともあります。
急に発症し、吐き気・嘔吐、難聴、耳鳴などの症状を伴うことがあります。
良性発作性頭位変換性めまい、メニエール病、突発性難聴、前庭神経炎など耳の異常が原因で起こることが多く、安静で改善しない場合には早く医療機関を受診してください。
また、椎骨脳底動脈循環不全症や脳出血、脳梗塞など脳の病気でも回転性めまいが起こることがあります。
急に、または徐々に症状が出現し、フワフワ揺れる感じと頭痛やしびれ、運動まひなどの症状を伴うことがあります。
浮動性めまいの多くは椎骨脳底動脈循環不全症や脳出血、脳梗塞など脳の異常が原因で起こります。
脳全体に血液が行かないときの症状です。
起立性低血圧症や不整脈、強い貧血などで起こるので、心電図や血液検査、Tilt head up test などが必要です。